売掛金と買掛金を資金繰り表へ入れるとき、売上や仕入を計上した月に書くのか迷いますよね。資金繰り表では、原則として実際に現金が入る予定日、出る予定日へ置きます。
請求済み、検収前、入金遅延を同じ確度にせず、取引先ごとの入金サイトを管理することが重要です。
売掛金と買掛金は発生日ではなく入出金予定日で入れる
売上計上日と入金日の違い
商品を納品して売上を計上しても、現金が入るのは締日・支払条件に基づく後日です。資金繰り表の「売掛金回収」には、請求額を入金予定月または予定週へ入れます。
資金繰り表テンプレートでは、売上発生額ではなく口座へ入る見込み額を使ってください。
仕入計上日と支払日の違い
仕入や外注費も、取引発生日と振込日は一致しないことがあります。受領した請求書の支払期日、口座振替日、カード引落日を確認し、実際に現金が出る期間へ置きます。
税込・税抜を混在させず、通帳を動く金額で統一すると照合しやすくなります。
確定予定と見込みを分ける
請求書発行済みで支払期日が確認できるもの、受注済みだが未納品のもの、まだ商談中のものを分けます。資金繰り判断では、確度の低い売上を別欄へ置きます。
見積り・受注予定・未検収の金額を、確定した売掛金と同じ扱いにしないでください。
売掛金の入金予定を資金繰り表へ入れる手順
請求先・請求額・支払条件を一覧にする
売掛金台帳には、取引先、請求番号、請求額、締日、支払条件、入金予定日、担当者を記録します。複数請求をまとめて払う取引先なら、請求単位と入金単位の対応も残します。
請求書が相手へ届いているか、検収条件が満たされているかも確認してください。
回収予定日と実際の入金日を照合する
入金後は通帳と照合します。 予定日、実際の日、差額、振込手数料の扱いを記録し、ずれが繰り返す取引先は次回予測へ余裕を持たせます。
入金日が土日祝日に当たる場合の扱いは契約や相手先で異なるため、過去実績と相手の案内を確認します。
遅延・未回収を通常入金と分ける
期日を過ぎた売掛金は、通常どおり入る前提から外し、確認中として管理します。請求書の受領、金額相違、検収、相手の支払処理を順番に確認してください。
遅延債権や回収可能性に問題がある債権が、いつでも資金化できるとは限りません。回収見込みを過大評価しないことが大切です。
買掛金・外注費・経費の支払予定を入れる手順
締日と支払日を仕入先別に整理する
仕入先、外注先、カード会社ごとに締日と支払日を一覧にします。同じ仕入月でも取引先によって出金月が異なるため、合計だけでなく内訳を残します。
支払条件が変更されたときは、旧条件の請求と新条件の請求が混ざらないよう変更日を記録してください。
給与・税金・返済を別行で管理する
給与、税・社会保険、借入元金・利息は、通常の買掛金と別行にします。支払目的を分けると、営業上の支出と財務上の支出が見えます。
返済予定表、納付書、給与台帳を根拠資料として保存し、入力漏れを防ぎます。
大型の臨時支出を平準化して見せない
設備購入、修理、賞与などが特定月に出るなら、その月へ全額を置きます。資金繰りを良く見せるために複数月へ均等配分すると、実際の不足日を見失います。
会計上の費用配分と、口座から出る現金の時期を分けてください。
入金サイトが長いときの管理と改善
請求書発行の遅れをなくす
検収完了から請求書発行までの日数を測ります。社内承認、押印、送付方法で止まるなら、担当と期限を決めます。
請求が1日遅れるだけでも締日に間に合わず、入金が一か月先へずれる契約があります。相手先の締切を一覧にしてください。
回収条件・支払条件を交渉する
新規・更新契約では、着手金、工程別請求、短い支払サイトを相談できます。支払側も仕入先や外注先へ条件変更を希望する場合は、期限前に事情と具体案を伝え、合意を取ります。
一方的な変更を前提にせず、価格や取引量を含めて双方の条件を調整します。
売掛先ごとの集中度を確認する
売掛金が一社へ集中すると、その一社の遅延で残高が大きく下がります。取引先別の売掛残高と月間入金に占める割合を確認します。
予実差から不足を見つける方法を使い、大口入金が遅れた場合の残高も試算してください。
入金前に支払日が来ると分かったときの判断
最大不足額と必要日を確定する
売掛金の入金予定日より先に給与や仕入支払が来るなら、日次・週次へ分解します。緊急時の資金繰り判断で最初の不足日と最大不足額を出してください。
不足額を超える資金を求める前に、回収できる請求、延期可能性を相談できる支払、不要支出を確認します。
融資・交渉・売掛金の早期資金化を比較する
不足日まで余裕があれば金融機関への相談、短ければ回収・支払交渉を並行します。法人向けの確定売掛金があり、入金時差だけが原因なら売掛金を早く現金化する方法も比較対象です。
架空の請求、二重譲渡、回収不能が疑われる債権を通常の売掛金として扱ってはいけません。 取引日ではなく現金が動く日を正しく置き、先に不足を発見することが管理の目的です。
最終確認日:2026年8月25日
入金待ちの資金繰りノート編集部
中小企業・個人事業主の資金繰りについて、必要日、不足額、用途、売掛金、原因、負担を、順位を付けずに同じ確認軸で整理しています。官公庁・公的機関・各提供者の一次情報を優先し、変動する情報には確認日を記録しています。
